その他

快楽の扉の前

「じゃぁ、後ろ向いて」微妙にベットが沈み
彼が背後にいることがわかる。
後ろから私の腕を優しくとり
後ろに回し両腕を重ねる    
後手縛り。    

さっきまで  はしゃいでいた声は止まり
遠くから小さく聞こえる自分の心音。
こんなに暗かったのだろうか?部屋の明かり。
徐々に縄は私を締め付けていく。
「痛くないか?」前に回った彼の声は いつもより低く聞こえた。

圧迫感しか感じていない。

「痛くは…  ないです」
髪を撫でる指で締め付けていた縄を外し始めながら キスをした。
いつになく優しくキスをした。

       これが 縄との始めての出会いだった。

縄の後でセックスをした。
彼と出会ってから何度目のセックスか忘れてしまった。
この日のセックスも 思い出せない。

高揚感を覚えたのは次の日だったろうか? と、同時に
優しく触れるあの指、腕 、髪を撫でる掌、 唇  気にかける声、
その全てに嫉妬した。

「…誰も縛って ほしく ない」

「また、縛られたい」は
「また、優しく触れられたい」だったんだ。
と今なら  よくわかる 

正座した背後に彼を感じながら 重ねた腕に縄 
彼から 引導を渡される 時 私は
ゆっくり  吸っては  吐く
自分の呼吸のみを感じ 目を伏せる
優しい腕 指 その全ては今も変わらずあの頃のまま。
ただ 変わったのは 耐えきれず 腰からふにゃりと倒れこむ私がいる。

どっぷりと縄に酔う私がいるのです。
どっぷりと快楽に酔う私がいるのです。


はじめまして。
緊縛、SM、SEX、恋愛、快楽を通して 女性の幸せとは何か? と自問しながら生きております。男性なら女の性を。先行く女性なら道標を。 同じ速度の女性なら共に。違う道行く方ならば 蜜子を通して疑似体験を。感じ方は千差万別 皆様と共有し意見も聞いてみたい。
終点のみえない 快楽というバスに同乗していただければ幸いです。

寒くなりましたね
お風邪などひかれませんように。 黒柳 蜜子 



 

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