その他

縄を通して

相手の目の前に正座をし『よろしくお願いします』と頭を下げる
正座を崩した私の背後に殿方が座る
身体を相手に預けると、ゆっくりと私の両手をとり、片手で一纏めにされる


束ねてある生成りの縄をゆっくりと見せつけるように解いていく
縄が鳴る度に、身体が震える


拘束されていた両手を今度は後ろ手にされると
マゾのスイッチが一気に入り、縄と殿方の世界に自ら堕ちていく


時折、荒々しく掴まれる髪の毛に苦痛の表情を浮かべながら、突然意識を戻される
髪の毛を鷲掴みにされ、無理矢理殿方と目を見つめさせられ、
恥ずかしさと、目線を反らせない、反らしたくないという葛藤をしながら
誰にも見せたことのない表情を彼に向ける


楽しそうに笑う殿方が嬉しくて、幸せで
もっと喜んで欲しくて、笑って欲しくて
『もっと。。。』と掠れた声で小さく呟く


それを聞いた殿方は嘲笑しながら
私の耳元で『ハシタナイ女』『ダメな女』と囁く
そう言われる度に身体が熱くなり、何度も殿方の前でハシタナイ姿で逝く


内腿や足の裏を竹鞭で打たれ、抓られ、爪を立てられ…
抑えていた声も表情ももう取り繕えなくなってきて
吐息が喘ぎ声に変わり、最後はもう言葉にならなくなる


縄を解かれ、縄が一本また一本と体から消えていく度、寂しくてたまらなくなる
最後の縄が肌から離れると後ろ手に組まされていた手をゆっくりと剥がされ
私の前に持ってき、後ろから手を重ねて抱き締められる


その頃には涙が次から次へと溢れてきて
強くハグをされると感情が一気に溢れ、向き合い抱き合ったまま、子どもの様に声を上げて泣く


……………

 

普段から思っていることがある
それは言葉にする努力と勇気は持ち合わせていないといけないということ



だけど言葉にできなかったり、言葉にすると陳腐なもの、言葉が邪魔な時は
縄やSMといったツールが一番自分にあっていて、伝わりやすい
お互いが受け入れ、多くの言葉を2人の間で必要としないコミュニケーションはより深くで相手と繋がれる


真剣に向き合った者同士のみが踏み込める領域
だからあんなにも琴線に触れる縄やSMは幸せで満たされるんだ、きっと




くるみ

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