その他
緊縛
緊縛により
人はなぜ解放されるのでしょうか?
そんな事を考えること自体
意味のないことなんですがね 笑。
縛られ吊られる時
私は母胎に還り 抱かれ包まれ
時間を遡り
解かれる時 淋しさとひとりで歩む
不安に産声をあげ 新たに産まれる
神社の鳥居から本殿までの
参道は産道ともいわれ
強く結ばれた
しめ縄が囲う本殿はいわば子宮。
鳥居をくぐる時 時間を遡る。
祀られた鈴を鳴らし
本殿 奥の鑑に誓いを結ぶと
産道を歩み鳥居へ進み産まれ出でる
文字が出来る前 大ごとは大縄に
小ごとは小縄で記されていたとも。
他者へ伝える手段でもあったのですね
手首に縄が巻きつけられ縛られていく
縛り手の体温を肩に感じながら
重ねられていく縄。
締め付けられる手首に
彼と私の視線が重なっていく気配を
私の耳元へ伝えられるだけで
涙がこみ上げ 逝かされる。
いつだったか
「お前にとって縄はなんだ?」と問われ
「桜の木のようで…」と応えた日を思い出した
桜は 人を魅了し 愚かで儚くも狂気乱舞し
潔く散り また 咲き乱れる…緊縛
強く縛り 肌に馴染み またより強く
縄に染まり 祀られる。
終わりも理屈も必要ないのは
本能が覚えているからかもしれない。
今回は以前 喜多氏が書かれた『麻吊りで祀る祭り』を読んでいて、ふと思いたち書かせていただきました。八百万の神が棲む国ですからね、縄の不思議も神がかりなものかもしれず、そんなところに惹かれているというのは過言ではありません。
お年賀 黒柳蜜子
人はなぜ解放されるのでしょうか?
そんな事を考えること自体
意味のないことなんですがね 笑。
縛られ吊られる時
私は母胎に還り 抱かれ包まれ
時間を遡り
解かれる時 淋しさとひとりで歩む
不安に産声をあげ 新たに産まれる
神社の鳥居から本殿までの
参道は産道ともいわれ
強く結ばれた
しめ縄が囲う本殿はいわば子宮。
鳥居をくぐる時 時間を遡る。
祀られた鈴を鳴らし
本殿 奥の鑑に誓いを結ぶと
産道を歩み鳥居へ進み産まれ出でる
文字が出来る前 大ごとは大縄に
小ごとは小縄で記されていたとも。
他者へ伝える手段でもあったのですね
手首に縄が巻きつけられ縛られていく
縛り手の体温を肩に感じながら
重ねられていく縄。
締め付けられる手首に
彼と私の視線が重なっていく気配を
私の耳元へ伝えられるだけで
涙がこみ上げ 逝かされる。
いつだったか
「お前にとって縄はなんだ?」と問われ
「桜の木のようで…」と応えた日を思い出した
桜は 人を魅了し 愚かで儚くも狂気乱舞し
潔く散り また 咲き乱れる…緊縛
強く縛り 肌に馴染み またより強く
縄に染まり 祀られる。
終わりも理屈も必要ないのは
本能が覚えているからかもしれない。
今回は以前 喜多氏が書かれた『麻吊りで祀る祭り』を読んでいて、ふと思いたち書かせていただきました。八百万の神が棲む国ですからね、縄の不思議も神がかりなものかもしれず、そんなところに惹かれているというのは過言ではありません。
お年賀 黒柳蜜子
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