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ソドム百二十日

フランスがマルキ・ド・サドの直筆原稿を国宝に認定

歴史的文書の競売に出品される予定だったマルキ・ド・サドの小説「ソドム百二十日あるいは淫蕩学校」の直筆原稿がフランス文化省から国宝に認定され、国外への流出を避けるため競売から除外されました。(2017/12/19)
サディズムの語源となった事で有名なマルキ・ド・サドは虐待と放蕩の廉で精神病院や刑務所に入れられたため「ソドム百二十日」はバスティーユ監獄で獄中に執筆したものになり、12メートルの巻紙にして石の陰に隠されていたといいます。

ソドム百二十日は、フランスの4人の中年の大金持ちがフランス中から拉致してきた美少女、美少年達を深い森の城館で監禁し、120日にわたるありとあらゆる性的倒錯行為を繰り広げるというもの。
性倒錯、暴力、善悪、反道徳、無神論といったテーマでかかれている未完の小説です。

登場人物、役割、場所、状況が揃った後の物語の大半は未完のまま終わっており、読んだものをあらゆる不道徳と背徳の塊のような妄想の世界へ誘導しています。

性的倒錯作品が国宝になるあたりが先進国フランスといった感じですね。

ちなみにソドム百二十日は、ピエル・パオロ・パゾリーニによって 「ソドムの市」として設定時代背景をファシズム政権時代のイタリアに移して映画化されています。欧米ではあまりの過激な表現が問題となり、上映禁止になったそうです。本作を撮影し終えた直後のパゾリーニが、海岸で轢死体となって発見されるという監督の謎多き死も加わって大変スキャンダラスで話題になった作品ですが、スカトロ描写や拷問シーンなど耐久性のない方にはお勧めできない映画となっています。
ただ悪趣味と捉えるか、アートと捉えるかで感想が変わってきそうですね。

 

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