シバリガールズ

おわりとはじまり・縄と死んだ女の話

おわりとはじまり・縄と死んだ女の話

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恐怖も冷たさも感じない
ただ虚しさだけがここにある。

着物の裾はすでに腰まで水に浸かっていた。

身動きがとれず見上げると
ゴツゴツしたまっくろな岸壁。

私は海の中の岩に縛り付けられ
崖の上にいる数人をにらむ

理不尽 不条理に
対する怒りがこみ上げ
涙となって流れ出る

強い想いは届くはずもなく
波の音に掻き消されていく

打ち付ける波と真っ黒な岩
刻々と上がる水位.....

悲しくもなく後悔もなく

自分の運命など、はなから分かりきったような気持ちでいた。

潮が満ちた時、私の息は止まる_。

身動きのとれない魂が
おおきくはじけて
縄の間からぬけだす

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私の中で鮮明に記憶に残っている
夢の話です。

感情もリアルに感じ忘れられない夢です。

このせいか分からないけど
水族館の水槽の中とかにある
黒い岩の壁?が無性に苦手です。

なのになぜか縛りはだいすきで
道場で受け手をやるほどです。

キュレーターとして表現の場を頂いたので
一生懸命、文にしてみました。

お読みいただきありがとうございます。

sumire

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