瘋癲ノ喜多サン

緊縛人生



先生は、全然休みがないのですねと言われます。
確かに年末年始に4、5日休みだけで毎日縛っているか、縛りを教えていますね。
その4、5日も道場の掃除をしたり、縄を作っているのでのんびりしているのは、元旦ぐらいなものなのです。
ではなぜ、そんなに働くのか?まず私には家族が居ません。
子供たちは成人して独立をし自活をしています。
妻は居ません、この稼業で妻がいたら毎日もめごとで大変でしょうね。
子供が小さかったり、妻が居れば旅行や食事に連れて行くために休みが必要でしょうが、
なんせおじさんひとりであれば、人生をかけたものがあるのならばそれに没頭するに限りますし、
それが生き甲斐であり、最高の楽しみなんですよね。
そしてなにより、二度目の人生でこの稼業を始めるとき、プライベートなんていらないと思いました。
一度目の人生でそれなりに、身の丈以上の生活が出来まして、
自分の生い立ちからは考えられないほどの贅沢をさせてもらいました。
でもね、大して感動も充実もなく、イメージの世界より楽しくなかったのですよ。
やっぱり人は、生まれに沿った生き方がきっと楽しいのでしょう。
家族もいないし、毎日仕事してればいいわけ、
お酒もやめたし、パーティーや宴会ではしゃぐのも疲れるし、
たまの空いた1、2時間好きな音楽を聞いたり、本を読んだり昼寝をしたり、
その日暮らしの全く贅沢な時間を過ごさせてもらっているのです。
そんな生活だから、お金もあまり使わないし質素な生活を謳歌しているわけなのです。



緊縛でなにを目指しているのか?世界に本当の緊縛の良さを知ってもらいたいのです。
それほどポピュラーではありませんが、いろいろな国で緊縛は興味を持たれているのです。
Facebookをやっていているのですが、いろいろな国の人から緊縛についての質問が来ます。
中には、「あなたはなんて酷い人なんだ弱い女性をこんなに苦しめて」なんて、意見も飛んで来ますが(笑)
お金や地位名声が欲しいわけじゃないのです。
そもそも、緊縛がそんなに儲かったり褒め称えられることもありませんが、
世界中の人に、日本固有の文化緊縛を正確に理解してもらいたいのです。



Andrea Mullerというブラジルの大学教授でもあるアーティストが、
英文で私の緊縛をとても上手くまとめて紹介してくれています。
インタビューに関しては、四苦八苦してGoogle翻訳先生のご指導のもと、メールでのやり取りでしました。
かなりの長文ですがとてもよくまとめてあり、色々な国の人に紹介してくれているのです。
日本の緊縛文化を世界中に正確に伝えてもらえてとても嬉しいです。



緊縛はエロティックな男と女の精神と肉体のつながりです。
男の性欲を吐き出す、ポルノではないのです。
浮世絵、春画にも勝るとも劣らないアートであり、
華道、茶道、禅、は己の精神、心を整えるものですが、
縛道は、もうすでに精神、心が整った者がするものです。
生半可な気持ちで縛れば、相手心も体も傷つくことでしょう。
鍛錬された者のみが縄を持ち縛る事が出来るのです。
命ある限り、この精神を世界に紹介して行きたいのです。


喜多征一

キュレーター紹介

逝かせ縄という妙技を操り、多くの女性を快楽の果てと誘う。東京と名古屋に道場を持ち、日本古来の文化である美しい緊縛を多くの生徒に伝承している。美しくなければ緊縛ではない美しい緊縛は気持ちがいい、それは肉体と精神と性が解放されることだ。

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