瘋癲ノ喜多サン
色事縄師
60も過ぎれば
動物的な精力が衰えるのは当然だ
ならば今一度
老獪な色事師として
セピア色の世界でじっとりとねっとりと
縄を這わし指でなぞりこの世の最果てに誘う
色事縄師
野暮ったいエロスはいただけない
ポルノな爺さんではいささかうすら寒い訳だ
色気たっぷりに老獪で危険な爺さんがいい
だいたい縄師などが女を作ったり
ましてや結婚なんて大それたことを思ってはいけない
ある意味出家僧のように
世俗を捨てて解脱のために修行するのが望ましい訳で
縄師は世俗を捨て煩悩の限りを尽くし
果たしてその先に悟りの境地を見ることができるのか
はたまた地獄で閻魔に釜茹でにされるのか
まぁ後者であっても構わない
残りの人生など惜しくもなければ
輪廻転生など信じてもいないから望むこともない
ただひたすら縛り縛り縛りまくり
ひとりでも多くの女性に最高のオーガズムを差し出したい
それが私の性であり生なのだ
私が培ってきた
色事師としての息づかい
緊縛師としての技
受け手の一挙手一投足を感じとる精神
今一度
自分の生かされている意味を噛み締め
色事縄師がどう生き抜き死にゆくのか
しかとご覧ください
かっこ悪く生きたとしても
うすら寒い爺さんにはなりたくはないね
喜多征一
キュレーター紹介
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