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SM特化型マッチングサイト『Luna』の登場で人とつながる

 SM特化型マッチングサイト『Luna』の登場で、「緊縛」や「フェチ」「性癖」「SMプレイ」といった共通の話題でつながって誰かと交流することが個人的に増えた。
 
 趣味嗜好の合うリアルやSNSの友だち、肉体的な関係を育んでゆくSMパートナー、ゆくゆくはSM婚をめざせる唯一無二の相手探しまでユーザーの利用目的は人それぞれ。

 わたしはSMバーやフェティッシュバー、ハプニングバーなど性的嗜好で人とつながれる場所にはほとんど行ったことがなくて(閉店した猥談バーは大好きだったが)、あまり夜遊びできない環境なのもあり、ネット上でそういった相手と密談できるようになる『Luna』の存在は、とてもとても大きい。

 何人かは喫茶店や居酒屋などで実際にお会いしてお話をさせていただいたが、緊縛プレイをメインとする縛り手さん(熟練度はさまざま)とだけは今のところ面会の予定を組めていない。会ってすぐに縛られるわけでもないのだが、どうしても慎重になってしまう理由があるせいだ。

 それは、春頃からしばらくのあいだ「緊縛事故で後遺症の残る受け手さんが増加している話」がときどき浮上するようになった件である。ネットの情報だけで見よう見まねでやっているひとまで「できる」と言ってしまう場合があるため、各人がどういう状態なのか、おそるおそる探ってしまう。自己流というワードがでたらわたし的にはNGだ。互いの性癖トークをたのしむような友だちとしての交流はあっても、プレイ相手にはできない。

 やはり、縛っている姿をナマで見たことがなく、プロとしてその道の仕事をしているわけではない相手とそうなるのは、多少こわいのである。かといって、あれこれ質問しまくって気分を害させるのも不本意……。話しにくい性癖についての垣根を『Luna』がなくしてくれたことでやりとりがスムーズになるなか、受け手としてちょっとかじっている緊縛については妙に引け腰になってしまう。SMプレイ全般がそもそも危険をはらんでいるという前提は頭にあるものの、やたら敏感になっているというか。

 きれいな縄化粧の写真を見せてくれたかたに「この縛りと体勢をプライベートでずっとされたら、ただただキツくないですか?」とか、色気のない指摘をしてしまったこともある。言われたくないよね、そんなの……。ちなみにその方は、それはもちろん承知の上で縄目を美しくみせるために一時的に撮影時のみこのかっこうになってるよ!とやさしく教えてくださった。要らんことを言っちゃったなあとうなだれるが、訊かなければ「わかってやっていること」かどうかは不明なままだった。お互いにコミュニケーション能力は必須である。

 わたし自身が喜多道場で受け手をしているのだから、そこの生徒さんとなかよくすればいいじゃない!という意見はごもっともだが、ホームとは別のところで切磋琢磨する縛り手さんにもお話をきいてみたいという好奇心がある。そこは否定せず、どういう話の流れなら自然と相手のきもちや姿勢を先に知ることができるかなあ……などと考える。『Luna』の特性は、会う前にある程度の意見交換ができる点にもあるはずなので、うまく活用したい。

 緊縛に興味がある、映像を視聴するようになった、縄会でレッスン体験をしてきた、緊縛ショーを見てきた、縄会や緊縛教室に定期的に通いはじめた、関心がありいろいろ調べたがじぶんの嗜好性とは異なるとわかった、拘束テープや手かせ足かせといった拘束具を使うのは興味ある、など、皆さんそれぞれ段階があり、変化していってる。わたしだけが二の足を踏んでいるなあ……。

 まあ、なんだかんだ言って「まずは喫茶店で話してみてノリが合いそうならSMバーに行ってみる」とかが妥当な流れなんでしょうねえ……。

 
 いずれにせよ、人とは丁寧に接してゆきたいなあ。

キュレーター紹介

五反田道場の縄受け手。猥談バーの民。なんでもありなフェチフェスのBlogでライターをしています。

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