人間ばなれしたスタイルのセクシーな美女
男の場合、
SNSのフォロー欄とクレジットカードの明細を見ると、
だいたい女の趣味がわかる。
表向きは、
落ち着いた女性がいい
家庭的な人が好き
などと言うが、
スマホの検索履歴は正直だ。
AI加工で脚が2メートルぐらいありそうな美女。
フィルターで毛穴どころか人間味まで消えた美女。
現実には存在しないようなスタイルの美女美女美女!
そういう映像や画像を毎日見ている。
アルゴリズムは優秀だ。
男が三秒でも見つめた欲望を忘れない。
次から次へと理想の女を流し続ける。
昔はヌードグラビヤやエロ本だったのが、
今はX、InstagramやTikTokだ。
媒体が変わっただけで、
やっていることはあまり変わらない。
夢を売り、
憧れを作り、
消費させる。
男は高級時計を欲しがる。
限定モデル。
機械式。
資産価値。
だが買った瞬間からメンテナンス代との長い付き合いが始まる。
車も同じだ。
巨大なSUV。
スーパーカー。
EVのハイエンドモデル。
都内の立体駐車場に入らず、
狭い道では神経をすり減らし、
洗車動画ばかり見ている。
所有する喜びより、
傷つけない苦労の方が大きかったりする。
それでも欲しくなる。
なぜか。
男は物を買っているのではない。
物語を買っているのだ。
成功者の物語。
モテる男の物語。
特別な人間になった気分。
そのために働き、
そのために消費する。
実に立派な資本主義の歯車である。
だが少し冷静になってみよう。
SNSで見かける人間ばなれしたスタイルの美女。
あれは本当に存在しているのだろうか、
加工前の顔を知っているか、
照明のない部屋で見たことがあるか、
寝起きの顔を知っているか。
もちろん女性だって同じだ。
男の腹筋も、
年収も、
ライフスタイルも、
写真一枚で盛られている。
現代人は恋をしているのではない。
画像処理技術に恋をしている。
それでも人は憧れる。
憧れるから働く。
働くから消費する。
消費するから経済が回る。
だから今日も
誰かが高級化粧品を買い、
誰かが腕時計を買い、
誰かが高級車のローンを組む。
夢を見る自由。
だまされる自由。
それもまた資本主義の醍醐味なのかもしれない。
しかし忘れるな。
本当に魅力的な人間は、
加工アプリの中ではなく、
笑い方や話し方や生き方の中にいる。
そこだけは、
今も昔も変わらないんだ。
キュレーター紹介
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