瘋癲ノ喜多サン

自尊心が砕け散る瞬間


思い込みから始まる関係

人はしばしば、想像の世界で関係を築こうとする。  
実際の相手ではなく、
自分の心の中で作りあげた架空の人物に想いを寄せ、魅力的な物語を紡ぐのだ。  

あるがままの相手を見ずに、理想や憧れを重ねていくことで、
楽しみや興奮、むさぼりが生まれる。  
しかし、それは実在しない誰かに向けられた感情でしかない。  

いつしか疲れがのしかかり、
その享楽も興奮もむさぼりも虚しいものとなる。  
思いを込めていた存在が、
実は何も返してくれていなかったと気づくとき、深い敗北感が襲う。  

それは自尊心が砕け散る瞬間であり、どうしようもない哀れさを感じる。  
「思いに応えないあいつのせいだ」  
「許せない、あいつは人の心を弄んでいる」  
そんな憤りが心を支配し、
やがて怒りは暴力的な衝動へと変わることもある。  

だが、その「相手」とは、実際のあいつではなく、  
自分の妄想というモンスターが生み出した幻影なのだ。  

繊細で才知に富むがゆえに、好奇心と偏見の狭間で揺れ動き、  
感受性が強すぎるのか、はたまた欠如しているのか、  
真実の感性を受け取れずに苦しむ愚か者。  

誰もが経験する恋愛の妄想。  

結局のところ、恋愛そのものもまた、妄想のひとつなのである。

 



 

キュレーター紹介

逝かせ縄という妙技を操り、多くの女性を快楽の果てと誘う。東京と名古屋に道場を持ち、日本古来の文化である美しい緊縛を多くの生徒に伝承している。美しくなければ緊縛ではない美しい緊縛は気持ちがいい、それは肉体と精神と性が解放されることだ。

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